デザイン+◯◯・デザイン×◯◯

ユニット制デザイン事務所、Uniが発信するあれこれ。

女性クリエイターのキャリアと結婚。

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女性クリエイターにとって、結婚出産育児とキャリアは両立できるのか?


これは結婚後、ずっと私の中でもやもやとした、そして心の中でずっとチクチクとしていた問題のひとつです。

結婚はしたけれど出産・育児はまだ。
キャリア形成もしなくちゃならないけれど、独立してまだ1年と少し。

普段は矜持と自信、そして誇りを持って仕事をしているつもりでも、
バリバリと大手の仕事をこなす有名男性デザイナー達を見ては、憧れ、尊敬し、その反面、自分は何と矮小であろうかと、反省もしきり…いつか周りの、なんだか凄い人たちのように、凄い作品を作れるようになるのだ!!と、日々勉強を続けています。きっと、これからもそうでしょう。

デザインという道は、おそらく死ぬまで続いているのですから。

一方で!!!まわりはどんどん子供を産んでいくッ!!!

生理前にFacebookなんか見た日には脳内は大惨事だよ!!!!

同級生が第2子を産んでいたりして、何かにつけて、家族団らんの楽しそうな写真をアップしている…

わかっています、もちろん。彼らには彼らの苦労がある事も。
元々特に嫉妬はしないタチですが、嫉妬はなくとも焦りは生まれてしまう今日この頃。

気分は曇り空。目に映る全てが物悲しく見え、この世には夢も希望もないんだ…
きっとこのまま何の脚光を浴びる事もなく、世の中に何も残す事なく、老いていつしか孤独死するに違いない…
ああ私はゴミだ、ミジンコだ、部屋の隅で塵だけ食べて死ねばいいんだ
と、どこまでもネガティブな気分になることも…

人間だからね…!

そうして、思う訳です。
「いったい私は母親になれるんだろうか…」
と。
子供を産む、責任を負う、キャリアを捨てなければ育児など出来ないのではないか…と。


現実に、結婚を諦めたり、結婚どころじゃない!と仕事に打ち込んだ結果結婚するのを先延ばしにしてしそびれてしまったり、家庭と両立出来ずに離婚に至ったり、結婚して様々な機会を失ったり、就職活動で不利になったり…

「女の子は結婚したり妊娠したりするからねェ…」
「就職したいのなら結婚してる事は隠しておいた方がいいわよ」
悪意のない、当たり前のような女性差別に直面した事もあります。

同じような人、結構要るんじゃないでしょうか。知らないけど。


そんなわけで。
ぶっちゃけその辺どうなんですかね??と相談してみた。

ちなみに、今回、回答をくれたのはデザイナーのM氏です。
(ご本人に了承をとっていないので伏せ字にて失礼をば。)

結論から言えば、彼の言葉はとても私に救いをもたらすものでした。


M氏:「確かに結婚、出産で、女性は短くても1年、長ければ5年、10年と現場から離れ、その間キャリアにはブランクが出来る。

短期的に見れば、それは損でしかないように思えるだろう。けれど、女性が持っている力は、そんな簡単なものじゃない。女性の方がスパッと決断する力はあるし、それは僕たちの仕事でとても大切なものだ。

子育て、出産、育児、本質的には女性にしか行えない事が多々ある。
それらの経験は、長期的に見れば、我々男性が決して得る事のない貴重な経験であり、作品に良い影響を必ずもたらしてくれる。

”キャリアと出産育児、どちらかを選ばなくちゃならない”なんて、どうか、かたくなに考えてしまわないで。自然に、来るべき時に、自然に任せて。」


細かい言い方は少し違うかもしれません(申し訳ない…)が、
おおよそこのようなことを言ってくださいました。


思えば私がデザインの道に進んだのは、度重なる偶然と、「女の子ってことは実家(居酒屋)継ぐんじゃなくて、そのうち独り立ちしないといけないんだな、じゃあ結婚とかも多分するかもしれないし、性格的に専業主婦とか向いてないだろう。その時に男性が稼いでくれないと何も出来ないって芋虫状態では不安過ぎるし、自分が稼いでいないと相手の選択肢も狭まってしまう。結婚しても続けられるような感じの手に職をつけておこう」という、わりと打算的なものでした。

実際にやってみたらすんげえ楽しかったので、結果としてはオーライすぎるわけですが…

しかし、現実には、女だからなwという扱いをする人はどの業界にいても男女関わらず一定層います。「ガラスの天井」などどよく言いますが、性差別というより肉体的な意味で、出来ない事や苦手な事なんかも当然あるわけです。

精神論で生理の出血や貧血が治るわけではありませんから。


特に競争が激しいクリエイティブ業界、人を雇う余裕の少ない中小事務所からすれば、結婚した、できちゃったからと言って寿退社などされた日には目もあてられません。

潰れる事も覚悟しなければならないハプニングへ発展するリスクを抱える事になります。積極的に採用しよう!とはならない人の方が多いのかもしれません。

結婚を期に、出産を機に、現場を離れた方も多い事でしょう。

でも、すべからく有名な、そして美しい作品を生み出すクリエイターは、
その生き方もまた、凛とした、心躍る魅力的な人がほとんどです。

ちょっとばかり戦線離脱をしたとしても、少し遠回りをするだけ。

結婚出産育児に時間をかけたからって、
キャリアを諦める必要なんてないんだ!!

焦り過ぎて、視野狭窄に陥っていたのかもしれません。

私がかけられた言葉で少し救われたように、
ためらっている全ての女性と、力んでしまっている全ての頑張っている女性に。

肩の荷を少しでもおろしてほしい。
そう願います。

全ての経験を糧にする。
そういう覚悟をすることは、もしかしたら、人生をかけた一大事業になるのかもしれません。でも、きっと、もっと
貪欲に、更に強欲に生きたって、バチは当たりませんよね。

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